入院診療実績


平成29年度 入院患者疾患分野別割合

疾患分野別


平成29年度の全入院患者数は371名でした。そのうち糖尿病は242名(65%),内分泌疾患は115名(31%),その他は14名(4%)でした。
1型,2型糖尿病から内分泌代謝疾患の幅広い領域の入院診療を行っていることが,当科の特徴です。
また副腎静脈サンプリングの症例数は全国でも有数です。

(平成30年4月8日 更新)


平成29年度 入院目的別割合

入院目的別


次に,入院目的別にみていきます。
上位から,周術期血糖管理が45%,糖尿病教育入院が13%,下垂体疾患の精査が11%を占めていました。副腎など内分泌性高血圧の割合も比較的高いです。悪性褐色細胞腫に対する化学療法は比較的短期間での入退院を定期的に行うこともあり,割合としては多くなっています。

周術期血糖管理では術前のみならず,外科的治療を受けた後も退院されるまで当科でフォローアップし,適切な血糖コントロールを行っています。最近は,CTやMRIでみつかった副腎偶発腫も増えており,外来だけでなく入院による精査も積極的に行っています。

(平成30年4月8日 更新)

平成29年度 糖尿病患者の内訳

糖尿病


糖尿病入院患者さんの内訳(実数)です。
2型糖尿病が173名と,やはり大半を占めています。しかし大学病院であることから,1型糖尿病や二次性糖尿病(膵性,肝性,ステロイド性など)も比較的患者数は多いです。2016年度と比較し,1型糖尿病の入院数が増加していました。

糖尿病ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群,重症低血糖などの急性期患者で,他院で対応困難な場合,県内各地から紹介されてきます。慢性期疾患から急性期疾患まで,幅広く症例を診療させていただいております。

(平成30年4月8日 更新)

平成29年度 内分泌疾患の内訳

内分泌


内分泌疾患の入院患者さん内訳(実数)です。副腎偶発腫の精査,二次性高血圧疑いの精査,下垂体疾患疑いの精査など目的は様々ですが,原発性アルドステロン症や褐色細胞腫などの副腎内分泌性高血圧や,先端巨大症やCushing病など幅広く症例をみております。悪性褐色細胞腫については化学療法の定期入院であり,延べ数としては比較的多くなっています。下垂体疾患についても近年紹介が増えており,脳神経外科と連携して診療しています。その他,甲状腺・副腎疾患をはじめ,インスリノーマを代表とした内分泌腫瘍など,関連各科と緊密に協力しながら診療しており,内分泌学的診断やホルモン分泌能の評価,周術期のフォローなどを幅広く経験できます。また下垂体炎や中枢性尿崩症,甲状腺クリーゼや急性副腎不全など critical な疾患も比較的よく経験します。

(平成30年4月8日 更新)

平成26年度から29年度までの入院症例数

当科における最近4年間の入院患者における,疾患別症例数です。

入院主病名 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年
2型糖尿病 196 194 194 173
1型糖尿病 13 12 15 26
二次性糖尿病 39 20 16 26
DKA/HHS 21 13 9 12
低血糖症 4 10 5 5
非機能性副腎腺腫 20 18 29 8
原発性アルドステロン症 58 32 49 33
Cushing症候群 8 3 11 2
褐色細胞腫 9 14 12 9
悪性褐色細胞腫 20 31 29 24
その他の副腎疾患 3 4 4 0
急性副腎不全 9 10 22 9
甲状腺クリーゼ 3 4 2 3
原発性副甲状腺機能亢進症 4 0 3 0
下垂体疾患 24 26 27 24
本態性高血圧症 9 10 11 3
その他(感染症/電解質異常など) 20 9 15 14

(平成30年4月8日 更新)

外来診療実績

糖尿病・内分泌疾患は慢性疾患であることが多く,外来診療が中心です。1型・2型糖尿病の患者さんを多く診療しております。フットケア指導,透析予防,糖尿病教室の開催などを通して合併症の予防にも努めています。内分泌疾患の外来診療は,視床下部・下垂体疾患,甲状腺疾患,副腎疾患など広くみていますが,原発性アルドステロン症や甲状腺疾患(Basedow病,橋本病)など,commom disease の外来診療が中心です。
以下に平成26年度から29年度における,外来受診患者さんの延べ人数を示します。

年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
延べ人数 19,945 18,502 15,675 12,145

平成29年度については,12,145名のうち810名が新患として当科に紹介受診をしておりました。院内だけでなく他院からも積極的に新患を承っております。

平成29年度 主病名別割合

平成29年度に当科外来を受診された患者さんの主病名について,実人数での解析を行いました。
2016 外来


















糖尿病症例としてはやはり2型糖尿病の患者さんが大半を占めており,外来診療の中心となっています。実人数も1,300人を超えていました。割合としては少なくなりますが,1型糖尿病の患者さんも多く通院され,専門的治療を受けておられます。また家族性高コレステロール血症を代表とする脂質異常症の患者さんも通院されています。
内分泌症例としては,入院診療では比較的少なかった甲状腺疾患(Basedow病,甲状腺機能低下症など)も外来診療では多く経験されます。また原発性アルドステロン症やCushing症候群,褐色細胞腫などを中心とする副腎疾患の患者さんも多く通院され,実人数も300名以上でした。その他,副甲状腺疾患や性腺疾患の患者様もいらっしゃいます。

後期研修医の皆様には入院診療だけでなく外来診療も積極的に経験していただいており,糖尿病・内分泌疾患をそれぞれバランス良く研修することができる環境が整っています。

平成29年度 病棟診患者数

当科では,他科に入院中の患者さんに対しても,周術期血糖コントロールや内分泌学的精査を中心に診療を行っています。特に術後の血糖コントロールについては,きめ細やかなフォローをしております。
平成29年度における,他科入院中の患者様に対する病棟診は,延べ 4,441名にも及びました。当科に入院している患者さん,また外来通院患者さんとは別に,他科患者さんの診療に携わっており,病棟業務の中心を担っています。

(平成30年4月29日 更新)